第346章 以前と同じように

今野敦史が入ってきて、まずは中林真由の額に手を触れた。

熱がないことを確かめると、ホットミルクを差し出す。

「ミルクを飲めば、よく眠れるぞ」

中林真由は躊躇いがちに手を伸ばした。ミルクの温度はちょうどいい。

これは彼が今準備してくれたのか、それともずっと保温していたのか。

中林真由は戸惑いの眼差しを彼に向けた。何か言おうとしたが、結局言葉にはならなかった。

「睡眠薬がいるか」

今野敦史は彼女を見下ろした。

「薬を飲むなら、ミルクはやめておけ」

「いいえ、結構です」

中林真由は手の中のカップを強く握りしめた。

「眠れますから。今野社長はもうお戻りください」

今野敦史がこ...

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