第348章 話の種

さすがは白川家、やることが派手だ。

今どき鉱山開発ともなれば認可が必要で、金さえ積めば許可が下りるというものでもない。

それを丸ごと一つ、今野敦史に譲渡しようというのだ。年間一億の収入が約束されたも同然の話である。

たとえ採掘権の期限が五年だとしても、合計で五億。

五億で、中林真由の命を買うということだ。

白川家は単に中林真由の死を望んでいるだけではない。それ以上の執念を感じさせる。

今野敦史の周囲には誰もおらず、彼は無言を貫いていた。あたりは針が落ちる音さえ聞こえそうなほどの静寂に包まれている。

十数秒が過ぎた頃、今野敦史はふっと鼻で笑うと、書類を無造作に押し返した。

「白...

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