第364章 入らないのか?

中林雪乃を病院へ送り届けたあと、中林真由はやっと石田渉を連れてマンションの内見へと向かった。

このマンションの環境は申し分ない。住人の大半は教師や公務員だという。

もともと職場の斡旋で建てられた物件らしく、住人同士も顔見知りが多いようだ。

都心の中高級住宅街に位置するため治安も良く、何より交通の便が良い割に驚くほど閑静だった。

真由が目をつけている部屋はマンションの中央に位置し、窓からは人工池が一望できた。

「この部屋のオーナー様、注文が多くてですね。あのお婆様のご要望が厳しくなければ、今まで空室だったはずがないんですよ。ずっとウチで扱っている物件なんですが、儲けそこなうわけにはい...

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