第368章 人を殺したい

「録音……?」

 誠子の瞳孔が収縮する。中林雪乃がスマートウォッチなど持っていた記憶はない。

 だが、中林真由の態度はあまりに自信に満ちている。もしかして自分の見落としだったのか?

 中林真由は大企業の秘書だ。母親に対してケチな真似はしないだろうし、スマートウォッチの一つくらい買い与えていても不思議ではない。ハッタリではなく、本物かもしれないのだ。

「知っていることを全部吐きなさい。さもなくば警察に突き出すわよ」

 中林真由は鋭い視線で彼女を射抜く。

「ここから警察署が近いことは知っているわね?」

 誠子は呆然と彼女を見つめ、やがて絶望に打ちひしがれたように口を開いた。

「…...

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