第369章 いまだかつてない

病院から今野グループまではそう遠くない。車で十数分の距離だ。

千葉雄太は何度か中林真由に事情を尋ねようとしたが、彼女が頑として口を開こうとしないため、諦めるしかなかった。

マンションに車が停まるや否や、中林真由は飛び出した。

千葉雄太は心の中で舌打ちした。あの殺気立った様子はどういうことだ? まるで今から誰かを刺しに行くとでもいうような……。

彼は慌てて車を降りた。中林真由が何か問題を起こすのを恐れてのことだ。

中林真由は、これ以上ないほどの速さで阿部静香の家の階下へと駆けつけた。

今野敦史のマンションの場所など、彼女にとっては嫌というほど馴染み深い場所だ。

しかし、下で今野敦...

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