第404章 私じゃないよね

中林真由は呆気にとられた。真っ先に脳裏をよぎったのは、あのLEDスクリーンを買い取るのにどれほどの広告費をドブに捨てることになるのか、という懸念だ。どう考えても割に合わない。

彼女は不意に吹き出した。「私が『悪女』だとは言わないの?」

首席で合格したくせに、妻子を捨てて姫君に取り入った裏切り者。

もし本当に今野敦史を見捨てていれば、それもまた悪女と呼ばれたのだろうか。

「それでもいいぞ」。今野敦史は頷いてみせた。「お前がそう望むならな」

中林真由は呆れを通り越して笑ってしまった。いつの間に、今野敦史はこんな冗談を言えるようになったのだろう。

「まさか自分を悲劇のヒロインになぞらえ...

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