第410章 三千億はどこだ

「クソ野郎! あいつは何も知らないんだ、あいつに聞いても、何も出てきやしないぞ!」

 中林大樹は唸るように叫んだ。

 確かに自分はロクデナシだが、娘を巻き込むことだけは絶対に許せなかった。

 そうでなければ、これまでの芝居が全て水の泡となり、託された願いを裏切ることになる。

「何も知らない? だが、身柄さえこちらにあるなら、お前も大人しく口を割るだろう?」

 小島文彦は、沈黙を守る今野敦史を一瞥した。

「今野敦史と結婚すれば、晴れて今野夫人だ。その立場を利用すれば、俺たちがどこへ連れ出そうと、彼女は従わざるを得ないんじゃないか?」

「ど、どこへ連れて行く気だ?」

 中林大樹の...

ログインして続きを読む