第420章 新婚の夜

下葬の段取りは、思っていたよりずっとややこしかった。

今野敦史が呼んだ僧侶らしき大師が、聞き慣れない文句を次から次へと唱えていく。中林真由には、意味の分からない言葉ばかりだ。

けれど、どれもこれも、要するに亡くなった人間が安らかでいられるようにという祝詞なのだろう。

大きすぎるほどの墓石。その周囲には、手入れの行き届いた高級感のある植栽。

中林真由は、無表情のままそこを見つめていた。

ふと、あのマンションのことを思い出す。中林大樹が最後まで暮らしていた、狭くて、じめじめしていて、ところどころカビさえ浮いていた部屋。

大家に聞いた家賃は、月にたったの八千円だという。

なのに今の彼...

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