第43章 くそ女

中林真由は少し頭が痛くなった。高木文也という男は、どうやら人の話が通じないタイプの人間らしい。

昼間のことで二人の仲は決裂したと思っていたのに、また彼が絡んできたのだ。

「申し訳ありません、時間が取れそうにないんです」中林真由は丁寧に断った。

彼女には高木文也のことが少し理解できなかった。あれほど険悪になったというのに、彼がまだ自分を誕生日パーティーに誘うと思っているなんて。

しかし高木文也は、いきなり彼女の手首を掴んだ。「辞職したんだろ、時間が無いはずないじゃないか。まさか本当に山田陸の秘書になるつもりか?」

ボックス席はひどく静まり返り、全員の視線が中林真由に注がれた。

この...

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