第430章 ほうほうの体で逃げる

「認めたよ。じゃああんたは? あんたも村上晴雄と寝たのか?」

北村一馬の声が一段と高くなる。怯む様子はかけらもない。

平野歩美の冷え切った視線を真正面から受け止めながら、彼女が口を開く前に、彼はふっと鼻で笑った。

「分かってるさ。あんたは俺なんか信じちゃいない。そのクソ野郎だけは信じてるんだろ? この写真だって、あいつが渡したんじゃないのか」

「私が信じるのは証拠だけです」

平野歩美が、感情を殺した声で答える。

もちろん村上晴雄を信じているわけではない。

ただ、彼女は弁護士だ。証拠が目の前に突きつけられているのに、信じないという選択肢はない。

北村一馬が芸能人やインフルエンサ...

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