第436章 恐れ

中林真由はアクセルを踏み込み、車を疾走させていた。

平野歩美の家は少し離れている。彼女は何としてでも、誰よりも早く小林洋子のマンションに辿り着かなければならなかった。

平野歩美に会いに行った事実を、今野敦史にだけは絶対に知られるわけにはいかないのだ。

自らの手で調べなければならないことがある。今野敦史に少しでも勘付かれることは許されなかった。

マンションの敷地へとハンドルを切ったその瞬間、バックミラー越しに今野敦史の車もまた曲がってくるのが見えた。二台の距離は、せいぜい数百メートルしかない。

顔馴染みの警備員がすぐにゲートを開けてくれたおかげで、わずかだが時間を稼ぐことができた。

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