第449章 中林真由が誘拐された?

今野敦史は、大型フラットへと戻ってきていた。

かつて自分と中林真由の「家」だったこの場所は、すべての灯りをつけてみても、どこか居心地が悪い。

結局、今野敦史は思いきって照明をすべて落とし、そのまま真っすぐフロアの窓辺へと歩いていった。

市内を一望できるそこからの眺めは、本来ならば穏やかな時間が流れているはずの光景だったはずなのに――今はまるで世界の終わりだ。

低く垂れこめた黒雲。空を裂く稲妻と轟く雷鳴。そして、途切れることなく叩きつけてくる豪雨。

まさしく、いまの今野敦史の心そのもの。

部下たちにこれ以上指示を出すつもりはなかった。今の彼に必要なのは、ただ待つこと、それだけだ。

...

ログインして続きを読む