第450章 違和感

「どうして控訴しなかったんですか?」

白石健人が鼻で笑った。

「そんな大がかりな罠を張った連中が、徳田愛斗に逃げ道を残すと思うか? あいつらは一撃で仕留めるつもりだったんだ。生かして返す気なんて、最初からない」

「それに、徳田愛斗には外に家族がいた。あいつが死ななければ、死ぬのはあいつ一人で済まなかっただろう?」

家族――?

中林真由は、ぎゅっと下唇を噛んだ。

徳田家で、今も生きている人間は、自分一人だけ。

じゃあ、実の父は自分を守るために罪を認めたのだろうか。

控訴する権利さえ捨てて。

涙が今にも溢れそうになる。中林真由は目を大きく見開き、ぐっと顔を上げた。その拍子に、ど...

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