第457章 皆殺し

中林雪乃の瞳の奥に、さっと狼狽の色が走る。

「敦史、何言ってるの? 帳簿って……何の話か、さっぱり……」

無理に平静を装っているものの、その声ははっきり震えていた。

今野敦史は鼻で笑う。

「とぼけるなよ。中林真由は全部知ってる。お前も同じだ。中林大樹は帳簿のせいで死んだんだ。あいつは中林真由を巻き込みたくなかったんだろ。だったら、お前だって、あいつの死を無駄にしたくはないはずだよな」

裏を返せば、帳簿が見つからないなら――次は中林真由を狙う、という宣告に等しい。

中林雪乃は胸を押さえ、はっと目を見開いた。

「……今野? あんた、今野って言ったわね! 今野優作って、あんたとどうい...

ログインして続きを読む