第477章 条件

中林真由は、心の中でひやりと笑った。──これだから男なんて。

もう一度チャンスをやる、なんて言っていたくせに、結果がこれだ。

今度は母さんを盾に揺さぶってくる。あのとき、この男の言葉なんて信じるべきじゃなかったのだ。

今の自分には切れるカードなんて一枚もない。今野敦史に勝てるはずもない。それはよくわかっているからこそ、中林真由は腰を下ろし、何事もなかったように食事を続けることにした。

演技に付き合え、と言っているのだろう。なら、その代わりに自由ぐらいはもぎ取らないと割に合わない。

「もし母さんに何かあったら、その時点で今野夫人はいなくなりますけど。今野さん、それでも帳簿は見つかるん...

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