第483章 困らせる

あの時、中林真由はどんな心境だったのか。

今となってはもう思い出せない。ただ、絶望の淵にいたことだけは覚えている。

その後、スマートフォンを取り上げられ、胃のあたりを激しく蹴り上げられた。

その古傷は、今でも時折うずくように痛む。

だが、中林真由は最後には好機を掴んだ。

人身売買組織の連中が、そう簡単に獲物を逃がすはずがない。

誘拐したからには、最短かつ最高値で売り捌く必要がある。しかも高値でだ。

「処女かどうか先にチェックしておけ」

リーダー格の男が三人の少女を指差した。

「それとも自己申告させるか? 今時のガキはふしだらだ、どうせ処女じゃねえだろう」

「特にこの中林っ...

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