第73章 彼氏

中林真由は今日、車で来ていなかったため、スマホアプリで配車を頼んだ。

車を待っている間、江口花はひっきりなしに喋り続けた。

「真由さん、彼、本当に格好いい! もう、何年経っても彼が一番格好いいわ。私たちの大学にもあんな極上のイケメンはいないもの」

「知ってる? 私、本当にイケメンが大好きなの。彼みたいな人には全然逆らえない」

彼女は中林真由の体に寄りかかり、うっとりとした表情を浮かべている。

「わからないでしょうけど、私、一目見た時から彼のことが好きだったの。何年も経った今でも変わらず好き。さっきなんて、心臓が飛び出ちゃうかと思った。本当に興奮しちゃった」

「これから毎日彼に会え...

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