第79章 依存することを知らない

失言したと気づいた中林真由は、慌てて弁解した。「仕事に関することでしたら、もちろんすべて社長のおっしゃる通りにいたします」

この雰囲気はどこか曖昧で、この場所もまた艶めかしい。ここで今野敦史と何か過ちを犯す気は毛頭なかった。

特に、先ほどの江口花の眼差しを思い出すと、今野敦史は若い娘のところへ行って生理的欲求を満たせばいいのに、と彼女は思った。相手はきっと大喜びするに違いない。

不意に今野敦史が歩み寄り、彼女の顎を掴んで上を向かせた。

彼女の瞳に他の感情が一欠片も見当たらないのを見て、今野敦史はただ苛立ちを覚えた。

中林真由は無意識に彼の手を払い除ける。「今野社長、他に何...

ログインして続きを読む