167-リスクと要件

ベラミーと私は二人きりでバーに向かう。メーガンは置いてけぼりにされたと文句を言っていたけれど、これから会うのはデー博士の正体不明の連絡相手なのだから、と説得した。大勢で押しかけて話すのを拒否されたら困るしね。もっとも、その相手が私の期待通りキャムなら、そんな心配は無用だと思うけど。メーガンは不満そうだったが、リスクを冒す価値はないと納得してくれた。

私たちは8時の5分前くらいに「ウィッチズ・ブーズ」に到着し、カウンター席に腰を下ろした。ベラミーはスツールを少しずらして、私と肩が触れ合うほどの距離に座る。腕の届く範囲より離れるのが、どうしても落ち着かないらしい。

「ライアン、だよね?」

キ...

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