176-アンチクライマックスと援助

何も起きない。拍子抜けだ。「で……なんか起きるはずなのか?」ハリーが聞く。私は肩をすくめた。

「さあね。私は魔女じゃないし」と指摘する。

「まあ……もう瓶から手を離してもいいか?」ベラミーが尋ねる。躊躇なくハリーが指を開くと、ガラスの小瓶が床に向かって落ちていく。私は恐怖で息を呑んだ。ベラミーの手がさっと伸び、間一髪でそれを掴み取る。

「おっと。それにしても猫みたいな反射神経だな」彼は自由になった手をベラミーに向けてハイタッチを求める。ベラミーはただ彼を睨みつけ、私にポーションの瓶を手渡した。

「ありがとう。ナイスキャッチ、ベルズ。ハリー……キャムがあんたの手に瓶を魔法で貼り付けた理由が...

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