19-スパイとストーカー

デザートまで食べていくなんてことにならなければいいけど。ベラミーはスマホを取り出してメッセージを返したり、フェイスブックか何かを眺めたりするだろうと思っていた。でも、彼はそうしない。視線はレストランに向けたままだけど、座席での体の向きは私の方を向いている――車内で可能な限り、だけど。話したいことがあるの?

「えーっと……」私は話題を探す。彼の視線が私の顔に走り、すぐにまたレストランへ戻る。

「どうしてダリエンはここにいないの? 彼はメーガンの護衛じゃないの?」

ベラミーの顔に苛立ちの色が浮かぶ。

「あいつを同行させるってことは、トリスタンが自分の婚約者を守れないと暗に言っているようなもん...

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