カム10-待機中と作業中

翌日の午後、昼から夜にかけてのシフトに入るため『ウィッチズ・ブーズ』へ向かうと、驚いたことにバーにはすでにハリソンの姿があった。彼は普段、夜にしか顔を出さないはずなのに。

「開店からずっと待ってるのよ。あなたのこと聞いてきたわ。メールしようかって言ったんだけど、邪魔したくないから待つって」

バーカウンターに着くと、コーラがこっそりと耳打ちしてくる。一日中いたの!? なんで? 作業部屋に直行して無視しようかとも考えたけど、そこまで子供じみた真似はしたくない。私は覚悟を決めて彼に近づく。彼の魔力が押し寄せてきて膝が震え、背筋にゾクゾクとした感覚が走る。体は異常なほど熱くなっているというのに、私...

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