カム15-警告と不思議

今夜ハリーが店に来るとは思わなかった。あんなに二日酔いがひどいはずなのに。でも、彼は図ったように決まった時間に現れる。私がシフトに入る午後の半ば頃、いつもの席へとふらふら歩いてきた。今夜はコーラとシフトを交代したし、もう一人のバーテンダーが病欠だから、働いているのは私一人だ。別に構わない。月曜日だし、そこまで忙しくならないだろうから。

「ひどい顔ね」私は笑顔で彼を迎える。これも嘘だ。彼は少し疲れて見えるし、髪はいつもよりボサボサで、身なりも少し乱れているけれど、決して悪くはない。むしろ、そのほうが隙があって親しみやすく見える。そう思っているのは私だけではないらしい。仕事帰りの一杯か、遅めのラ...

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