カム40-ペイントとプレゼント

バーに到着したとたん、私は激しい怒りに襲われた。正面のドアから建物のレンガにかけて、巨大な落書きが描かれていたのだ。何かのシンボルなのか、タグなのか、正体不明の何かがでかでかと描かれている。

思わず手を伸ばして触れてみると、まだ乾ききっていない黒いペンキで指がべとついた。まったくもう、いったい誰が何の目的で店の正面をこんなふうに荒らしたというのだろう? 馬鹿げている! 何を成し遂げようとしたの? そもそも、上手な落書きですらないじゃないか!

「洗い流せると思う? まだ乾いてないし、きれいに落とせる可能性は高いと思うよ」

ハリーが優しく声をかけてきた。彼は私がひどく落ち込んでいるか、傷つい...

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