第5章

 私は星界の翡翠色の床に叩きつけられ、血が瞬く間に清らかな石肌へと広がっていった。

「エララ!」

 兄のオリオンが崩れ落ちる私の身体を受け止めた。胸に穿たれた大穴を見つめながら、彼の手は震えていた。

「黒曜竜界の奴らめ……」オリオンは顎を食いしばり、瞳に炎を宿す。「番の契約があるからって、俺たちの巫女を殺していいと思ってるのか? イグニスは生きたまま皮を剥いでやる」

 爆発するような怒りを前にしても、私の中は凪いでいた。

「オリオン、やめて」

 彼の動きが止まる。胸を裂くような痛みが、目に走った。「まだあいつに縋ってるのか? ここまでされて?」

「違う」私は虚ろな胸を指した。「...

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