第18章 ひざまずく

数日間、矢野郁真はどうにかして金をかき集めようとした。だが、150万は端金じゃない。

しかも父親はすでに命令を出していた。誰ひとり、郁真に手を差し伸べるな、と。

誰に電話をかけても、返ってくるのは決まって同じだ。予定がある、今は厳しい、家族に反対されて――。もっともらしい言い訳ばかりで、金は一円も動かなかった。

矢野汐里も「一生懸命」工面しているようには見えた。けれど彼女の交友関係は同級生が中心で、そもそも大金を動かせる立場じゃない。苦労だの、仕方なさだのを口にするだけで、郁真が以前プレゼントした宝飾品やブランドバッグは出そうともしない――あれだけで、少なく見積もっても数百万円はあるは...

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