第26章 謝罪

「……何て言った?」小林舞香は、聞き間違いかと思った。

「汐里に謝れって言ったんだ」矢野郁真がもう一度繰り返す。さっきより声が少し低い。「ただの謝罪だよ。形だけでいい。何か認めろって話じゃない。『ごめん』って一言言えばいいだけだ」

小林舞香は彼を見つめ、指先がわずかに丸まった。

「私に謝れって? 私が何をしたの」

「嫌なのは分かってる」矢野郁真は深く息を吸い、必死に落ち着こうとする。「でも、もう写真が出回った。体育館で汐里が下着姿で立ってたの、みんな見た。うちの親父の取引先にまで見られたんだぞ。矢野家にとってどういう意味か分かるだろ。面目を潰すわけにはいかない」

「……それで?」

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