第30章 君の世話をする

「叔父さん、先に手当てしましょう。火傷は軽く見ちゃだめです」

小林舞香は緊張した面持ちで、小林修平の袖をぎゅっと掴んだ。今にも手が出るんじゃないかと、気が気じゃない。

さっき学校の体育館で手を出したのは、まだ事情が事情だった。けれどここで矢野郁真にまで怪我を負わせたら、矢野家が黙っていない。

自分が小林家でどう扱われているかを思えば、小林修平もきっと似たようなものだ。そう思った途端、舞香は彼の手をさらに強く握った。

「叔父さん」

小林修平は黙ったまま、視線だけを落として彼女を見た。何も言わない。けれど、動きもしない。

「お兄ちゃん、足首がすごく痛いの」

矢野汐里が不意に腰をかが...

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