第31章 目にあるのは金だけ

小林舞香が目を覚ましたときには、もう朝の光が窓いっぱいに差し込んでいた。

ベッドの上。布団はきちんと掛けられていて、枕からはほのかな煙草の匂いがする。――小林修平が来ていたんだ。

一瞬、思考が止まって、それから勢いよく上体を起こした。

昨夜、自分は椅子で寝落ちしたはずじゃ……?

枕元のサイドテーブルに、メモが一枚。紙の端がコップの底で押さえられている。走り書きの字は小林修平のものだった。

「任務。冷蔵庫に粥ある。温めて食え」

その一行を数秒見つめたまま、舞香の胸がきゅっと縮む。

右腕に巻かれていた包帯。皮膚に浮いていた、ぞっとするような水ぶくれ。

――薬、替えずに出ていったの...

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