第39章 勝たねばならない

そのときになってようやく、みんな思い出した。

普段は目立たないこのチア部キャプテンが、実は裕福な小林家のお嬢様でもあることを。

ただ、小林舞香はふだんあまりにも気さくで、あまりにも控えめだった。だから誰もが、つい忘れていたのだ。

噂はあっという間に広がった。

10分もしないうちに、小林舞香のブースの前には長い列ができた。昨日よりもさらに長い。ブースから体育館の入口まで伸び、そこで折れ曲がって、廊下の奥まで続いている。

松本菜々緒は興奮で頬を赤くしながら、てんてこ舞いでブラインドボックスを詰めていた。

「1個250円で、これをランダムで入れるの? 本気?」

小林舞香はうなずく。

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