第71章 蒸し暑さ

小林舞香がようやくチア部に戻ってきて、部員全員がほっと息をついた。

鈴木監督がパンパンと手を叩くと、みんながさっと輪になって集まる。

「もうすぐシーズン入りよ。気合い入れていくわよ」声はよく通り、ようやく光が差したみたいに明るい。「キャプテンが戻った。Cプランの振り、ここから一気に詰める。今回は――一気に獲るわよ!」

「よっしゃ!」

「キャプテンがいれば勝てる!」

「三連覇!」

熱のこもった視線が、一斉に小林舞香へ向く。

小林舞香は終始、微笑みを崩さない。けれど、その笑みはどこか薄く、心から喜んでいるようには見えなかった。

練習が始まると、松本菜々緒がこっそり近づいてきて、耳...

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