第78章 彼女は知った

小林舞香はこめかみを押さえ、頭痛をこらえるようにして言った。

「……分かった」

通話を切り、差し出されたゆで卵を見つめる。急に、何も喉を通らない気がした。

立ち上がり、まだ掠れた声で口を開く。

「叔父さん、わたし――」

「食べられないなら休め。片づけは俺がやる」小林修平は卵を皿に戻し、感情の起伏を見せないまま言った。「今日は家で休んでろ」

さっきの松本菜々緒の声は、彼にも聞こえていた。

小林舞香は少し迷ってから、また座り直した。小林修平を見つめ、しばらくしてようやく言葉を探す。

「叔父さん……犯人が妊娠してたら、特別扱いされるの?」

「妊娠も、流産も、配慮は入る」小林修平は...

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