第82章 どの言葉が本当ではない?

「小林舞香、出てこい! ふざけんな、そんなことしていいと思ってんのか!」

「出てこないなら――」

矢野郁真の声がぷつりと途切れた。別荘の門が開き、小林修平が上半身裸のまま、スポーツパンツだけで出てくる。

「お……叔父さん?」

なぜだろう。小林修平に会うたび、矢野郁真は後ろめたさみたいなものに襲われる。

「誰が叔父だ」小林修平が鼻で笑う。「通報されて迷惑行為でしょっ引かれたいのか? お前の義理の妹と一緒にムショ入りでもしたい?」

言い返そうとした矢野郁真は、ふと目を奪われた。

小林修平の首筋、鎖骨、胸元に散ったキスマーク。腕には爪で引っかかれたような赤い筋まである。さっきまで何を...

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