第1177話

「リップが乱れてる!乱れてるわ!」

「特定のショットはないの?ファンが見られないものなんてあるの?」

結婚式の参列者たちは、それに気づくと冗談めかして歓声を上げ始めた。

ナタリーは耳を真っ赤にして、何も気にしていない様子の犯人オリバーを睨みつけた。

メイクアップアーティストは気づかないふりをして、素早くナタリーのメイクを直した。

ほとんどの花嫁は朝の七時か八時に現れるものだが、騒ぎのせいでナタリーは十一時までやってこなかった。

しかし、誰も文句を言う勇気はなかった。

ダンディーな装いのオリバーは、ついに美しいナタリーを抱えて城から出てきた。

花々、そよ風、そして建物が結婚式の完...

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