第566話

レナードの曖昧な感謝の言葉は、まだその場に残っている数少ない人々の中で、ナタリーが彼に灯りを渡したことを強調するかのようだった。まるで二人の間に何か特別なものがあるかのように。

ナタリーは無理に微笑んだ。「お礼なんて不要よ、レナード。つまり、あなたとあなたの婚約者に光源ができたんだから、もう私にそんなにくっつく必要はないってこと」

レナードは少しも気分を害した様子はなく、むしろ明らかな面白さを感じて片眉を上げた。

一人の男と一人の女が向かい合って立ち、その間にあるランプの暖かな光が影を落とし、遠くから見ると古典的な絵画のように見えた。

「ナタリー、こっちに来て」

振り返ると、オリバー...

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