第109章

10分も経たないうちに、テーブルいっぱいの料理はきれいさっぱり消えた。桐生颯馬はお腹をぱんぱんにして、満足そうに背もたれへもたれる。

子どもは食べるとすぐ眠くなる。谷口日奈は颯馬を抱き上げてベッドへ運び、「ほら、早く寝なさい。誰か帰ってきたら怒られるから」と小声で言った。

颯馬はもともと聞き分けのいい子だ。満腹で横になった途端、まぶたがとろんと落ち、あっという間に夢の中へ沈んでいった。

谷口日奈は部屋を出ると、今まで谷口凛華が使っていた寝室へ向かった。中を見回した瞬間、露骨に眉をひそめる。

ちょうど使用人が通りかかった。日奈は指先でちょいちょいと呼び寄せる。

「これ、なんでまだ片づ...

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