第123章

翌朝。

谷口凛華は出社する前に、まず笹木家へ立ち寄った。

杉浦哲雄は彼女の姿を見るなり、どこか申し訳なさそうに視線を落とす。

凛華は彼が何を考えているか察して、柔らかく笑った。

「気にしないで。……わかってるから」

その一言が、かえって杉浦哲雄の顔色を強張らせた。

そこへ笹木明子が、空気を切り替えるように一歩前へ出る。

「とりあえず書斎へ行きましょ。おばあさんの宝飾品、全部出してあるの。どうするか、一緒に考えよう」

書斎。

おばあさんは、大旦那様と桐生朔弥から贈られた品だけでなく、長年大切にしてきたコレクションまで並べていた。

宝石箱は隅々まで磨かれ、どれほど愛おしんでき...

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