第124章

その夜――谷口凛華は寮に戻っても、すぐには眠らなかった。机に向かい、岡野明裕が海外から送ってきた調査報告書を、最初から最後まで三度も読み返す。

読み終えるたび、心臓の鼓動が一段ずつ速くなる。

報告書には、はっきりと書かれていた。谷口日奈が「留学していた」とされる海外の学校は、実態としてはオフィスが二部屋あるだけ。履歴書に記された修士号も、正式な認証など受けていない。一定の費用を払えば、学位証明書が手に入る――そんな代物だった。

さらに、彼女が「参加した」と謳っていた重要プロジェクトも、名義だけの参加か、そもそも存在しないものばかり。

そして凛華の指先を冷えさせたのは、別添の資料だった...

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