第128章

彼は動画を止め、引き出しのいちばん奥から、あの日――署名もせずに贈れなかった花束に挟んであったカードを取り出した。

長いこと見つめてから、カードを元に戻す。

灯りを落とし、書斎を出た。

翌日もいつも通り出社して朝礼をこなし、昼休みに桐生颯馬の担任へ電話を入れた。週末の親子行事には自分が参加すると伝えると、受話器の向こうで担任が一瞬言葉を失う。

「えっ……桐生さん、これまでずっと秘書の方が来られていましたよね?」

桐生朔弥は数秒黙ってから言った。

「これからは、親子行事は私が行きます」

「はい、承知しました。よろしくお願いします」

週末。親子行事当日。

桐生朔弥は珍しくラフな...

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