第17章

会議室はしんと静まり返り、針が落ちる音さえ聞こえそうだった。

桐生朔弥の圧のある視線が一同をなぞる。誰もが顔を伏せ、床に穴があったら潜りたいとでも言いたげだ。社長の機嫌が悪い――そう察した瞬間から、手元のペン一本動かすにも神経を使う。下手に逆鱗に触れれば終わりだ。

部長が小刻みに震えているのを見て、桐生朔弥は冷えた目で言った。

「どうして急に担当を替えた」

AI技術をコアとする企業において、重要案件の担当者を交代させることは、致命的なタブーに等しい。

声は抑えている。抑えているのに、底の温度がやけに低い。

部長はさらに声を落とした。

「本来は谷口凛華が担当しておりましたが……た...

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