第20章

夜はすっかり更けていた。

空が抜けたみたいな土砂降りの雨が、容赦なく地面を叩いている。

ぐっすり眠っていた谷口凛華は、不意に鳴り響いた電話の着信音で飛び起きた。

「もしもし、谷口凛華さんでしょうか。ご友人の方がうちのバーでかなり酔っておられて……恐れ入りますが、お迎えに来ていただけませんか」

受話器の向こうから、男の声が聞こえる。

寝起きで頭がぼんやりしていた谷口凛華は、しばらくしてようやく言葉を理解した。

「え……何ですって? 誰のことですか?」

「私……もう気分悪くて……お酒たくさん飲んじゃって、動けないの。迎えに来てくれない?」

谷口礼央――海外出張中じゃなかったの?

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