第21章

「営業の人間が、お客様を堂々と侮辱するなんて。どういうつもり? 仕事を続ける気、あるの?」

その販売員の態度を見た谷口礼央は、露骨に白けた目を向けた。

「よく見て。私は欲しいものなら何だって買える。でもあなたは……苦情を入れさせてもらうわ」

販売員の顔色がさっと変わった。

「も、申し訳ございません。私はただ、善意で申し上げただけでして。あまりに高価なお品ですので、もし傷でもついたり汚れたりしたら――」

「黙って。これ以上、くだらないことを言わないで」

そこへ、一人の男性が足早にやって来た。谷口凛華と谷口礼央の前で、深々と頭を下げる。

「このたびは、不快な思いをおかけして誠に申し...

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