第30章

二日間、谷口凛華は郊外でおばあ様の相手をして、他愛ない話をしながら散歩をした。

一方の桐生颯馬は――谷口日奈や桐生朔弥と遊ぶのがよほど楽しかったのか、電話の一本すら寄こさなかった。

けれど凛華は、こういう日々にもう慣れている。胸が痛むこともない。

月曜から仕事。

日曜の夜、凛華は郊外から市内へ戻る途中、ショッピングモールの前で車を停めた。

職場で使うコップが一つ足りない。そう思い出したのだ。

館内に入って売り場を探していると、ふいに耳へ、子どもの弾んだ笑い声が飛び込んできた。

少し先に、キッズスペースがある。

そして、その笑い声の主は――桐生颯馬だった。

颯馬は左手で桐生朔...

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