第40章

二人が並んで歩いていく背中を見送りながら、谷口凛華は小さく頷いた。

……確かに、あの二人はお似合いだ。

あの頃、もし自分さえいなければ。

彼らはとっくに結婚して、きっと誰もが羨む夫婦になっていたのだろう。

視線を引き戻し、谷口凛華は自席へ戻って手を動かし続けた。

昼。

食堂へは行かないつもりだったのに、岡野明裕に半ば強引に連れていかれた。

「お前さ、集中しすぎ。ちゃんと休めよ。じゃないと目から先にやられる。俺らみたいな仕事は首やるか、視力やるかだ。少しは歩け」

食堂へ入ると、凛華は反射的に窓際の席を探した。

――その瞬間、視界に入ってきたのは、ここにいるはずのない二つの影。...

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