第42章

夜の帳が降り、虫の音ひとつ聞こえない。

大きな窓の前で、谷口凛華は手を止める暇もなく動き回っていた。

気づけば、2時間があっという間に過ぎている。

一段落つけた凛華は、ふうっと伸びをした。顔を上げると、桐生颯馬はいつの間にかベッドにおとなしく横になっていて、スマホを手に何かしている。

ゆっくり立ち上がり、ベッドのそばまで行ったところで――颯馬は何かを察したように、さっと画面を消した。

「ママ、僕もう子どもじゃないんだ。プライバシー見ないで」

いつもより声が大きい。目もどこか泳いでいて、後ろめたさが丸見えだった。

この反応で、凛華に分からないはずがない。谷口日奈か、桐生朔弥と連絡...

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