第43章

「あっ――」

甲高い悲鳴が弾けた。

次の瞬間、蛇が子どもに噛みつこうとしたその寸前、谷口凛華はとっさに身を投げ出し、幼い体を胸の中へきつく抱き込んだ。

鋭い痛みが肩を貫く。

振り返ると、蛇は谷口凛華の肩口に牙を立てていた。

考える暇なんてなかった。手にしていた枝を振り上げ、渾身の力で叩きつける。

蛇は何かを警戒したように、するりと草むらの奥へ逃げていった。

「大丈夫? 怪我してない?」

蛇が去り、ひとまず危険はなくなった。谷口凛華は腕の中の子どもの顔をのぞき込み、慌てて声をかける。

けれど男の子はすっかり怯えきっていた。目には涙がいっぱいに溜まり、谷口凛華を見上げたまま、ひ...

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