第55章

谷口凛華が加わると聞いて、岡野明裕は素直に舞い上がった。

ここ数年、AI業界の進化は目に見えて加速している。だが、自分たち数人の力だけでは、会社を本当の意味で大きく育てるには限界があった。そこへ谷口凛華が来るとなれば、話はまるで別だ。

谷口凛華は、多くの教授たちが口を揃えて認める天才だ。AI分野への嗅覚が鋭く、どこに資金と人材を集中すべきかを正確に見抜ける。岡野明裕がいちばん重視していたのも、まさにそこだった。

岡野明裕は即座にスマホを取り出し、弁護士へ契約書の準備を始めるようメッセージを送った。

「じゃあ、これで決まりだな。今さら先輩をからかったりするなよ?」

言いながら、彼は思...

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