第58章

手に無理やり押しつけられた服を見て、谷口凛華はぽかんと立ち尽くした。反射的に断ろうとする。

けれど大叔母は、そんな隙すら与えなかった。ぐいっと凛華の背を押し、そのままウォークインクローゼットへ押し込む。

「大叔母はね、こういうのは経験者なの。これを着れば、どんな男だって目を離せなくなるわ。さあ、早く着替えてちょうだい」

扉が、すうっと閉まっていく。

鏡の前に立った谷口凛華は、手の中の服を見下ろしたまま途方に暮れた。

適当に誤魔化してしまおうか。そう思った矢先、外からまた大叔母の声が飛んでくる。

「ちゃんと着た? 見せてごらんなさい。恥ずかしがることないわよ」

どうやら外で待ち構...

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