第6章
夜の色は、墨を流したみたいに濃かった。
何時間も車に揺られて、谷口凛華はもうくたくただった。通りすがりのレストランの前で、ぐう、とお腹が情けなく鳴る。
ここも、仕事に追われるようになってから、ずいぶん来ていない。
「持ち帰りでお願いします」
注文を済ませると、谷口凛華は適当な席に腰を下ろし、頬杖をついて静かに待った。
さっき上の人たちと話して、ようやく思い知らされた。
この数年で、自分がどれだけ置いていかれていたのかを。正式にプロジェクトチームへ入る前に、足りないものは全部埋めておかなければならない。
そんなことを考えていたときだった。
ころころと鈴みたいな子どもの笑い声が耳...
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