第78章

宴は滞りなく進んだ。

外部メディアの反応も上々。

招待客が次々と引き上げ、宴会場に流れていた音楽も、ようやく止まった。

谷口凛華は最後の一団を見送り、こわばった首筋を揉んだ。十数時間ぶっ通しで動き回ったせいで、今はもう家に帰って倒れるように眠りたい。

笹木明子と杉浦哲雄はまだ数人の投資家に挨拶を続けていて、お婆さんは伯母さんに付き添われ、休憩室へ向かったところだった。

「凛華」

背後から、低い男の声。

谷口凛華は足を止めず、そのまま休憩スペースへ行ってバッグを取る。

追いかけてきた桐生朔弥が眉を寄せた。

「今日、中島教授が来てくれたのは……君が――」

「桐生社長、ほかにご...

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